子宮頸がん検診は安く受けられる!~20才から2年ごとに受けましょう~

子宮頸がん検診は安く受けられる!~20才から2年ごとに受けましょう~

みなさん、最後に子宮頸がん検診(子宮の入り口のがん検診)を受けたのはいつでしょうか?

最近出産された方は、妊婦検診の中で子宮頸がん検診受けているはずですが、多くの方は意識していないとついつい検診を忘れがちです。
日本では毎年1万人もの人が新しく子宮頸がんになり、毎年3000人が子宮頸がんによって亡くなっています。

子宮頸がんは、20才の方でもなる恐れがあり、30~40才の方に多い病気です。

症状があまり出てこないため、発見が遅れることもあり注意が必要です。

今日は、子宮頸がん検診の仕組みや異常になった後について説明します。

 

1.子宮頸がん検診を安くうける方法

日本では、子宮頸がん検診を安く受けられる仕組みを作っています。
20歳以上であれば2年に1回、市町村が決めた病院やクリニック安く受けられます。

送られてきた書類を持って受診する必要があるので無くさないよう注意してください。

(住んでいる地域によって値段が違います。無料または1000円前後で検診が受けられます)

詳しくは「がん検診窓口」から調べてみましょう:
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/contact/map/

 

Image: 日本医師会 クーポンについてhttps://www.med.or.jp/forest/gankenshin/how/coupon/

 

2. 子宮頸がん検診では何をするの?

一般的な「子宮頸がん検診」では、ほぼ内診とがん検診のみです。

エコー検査(経腟超音波検査)は行わないことが多いため、子宮筋腫や卵巣の腫れは大きいものは分かりますが、

小さい病変や子宮の中の異常については検査できていません。
「子宮頸がん検診が大丈夫だったから、子宮や卵巣は問題ない」というのは間違いです。

筋腫、子宮内膜症、卵巣について調べて欲しい方は、医師に相談してください。

超音波検査を追加または別の日に受けることができます。

 

◆子宮頸がん検診の流れ

検診ではスカートか脱ぎやすい靴とズボンで行くのがオススメです。
検診の前にトイレにいっておく方が良いです

1. 内診台に上がっていただきます
2. クスコ(膣鏡)という器械で腟を広げます
3. 子宮頸部をブラシ等でこすります
4. 内診します

子宮頸がん検診自体はブラシでこするだけなのでほぼ痛みはありません。
検査自体は1~2分であっという間に終わります。
この検査は、子宮頸部の表面の細胞をとるので「細胞診」と言われることもあります。
結果は2週間~1ヶ月前後に出ます。

3. 子宮頸がん検診の異常=ガン、ではありません

子宮頸がん検診で異常の多くは「細胞の形が変化している(異形成)」という意味で、

ガンというわけではありません。

ただし、そのまま放置しているとガンになってしまう方やガンに近い病変のため、

追加の検査をうける必要となります。

 

子宮頸がん検診の結果のみかた

NILM        正常
ASC-US      軽度病変の疑い
ASC-H     高度病変の疑い
LSIL      軽度異形成
HSIL        高度異形成
SCC      子宮頸がんの疑い

 詳細は日本婦人科腫瘍学会HP https://jsgo.or.jp/public/keigan.html  を参照してください

 

子宮頸がん検診で異常になった方はコルポスコピーという拡大鏡を使って追加検査をおこないます。

日帰りで検査できますが、出血が多くなることや特別な器械が必要なため、クリニックでは出来ないこともあります。

この検査では、より多くの細胞(組織)をとるために、子宮の入り口の何か所を、少し削り取ります。

検査のため内診台にいる時間は5分前後です。
削るさいに少し痛みや出血が出ることがありますが、検査が終われば無くなってきます。
コルポスコピーという拡大鏡を使って病変らしい箇所の組織を採取するので「組織診」と言われることもあります。

<子宮頸がんの詳しい説明>

子宮頸がんは主にHPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染が原因でおこります。
このウイルスは性交渉によって感染します。ヒトパピローマウイルスは、一度感染しても免疫によって排除されることがほとんどです。ところが、HPVをうまく排除できずに感染が続いてしまうと、子宮頸部(子宮の入り口)の細胞の形が変わってしまいます。その場合、子宮頸がん検診で異常になります。異常にはさまざまな段階があるため、「異常=子宮頸がん」というわけではありません。HPVの持続感染からガンになるまでに、数ヶ月から数年かかると言われており、

子宮頸がんはゆっくり進行することが多いです。そのため子宮頸がん検診も2年に1回の間隔で勧められています。子宮頸がん検診が20歳以上の方にすすめられているのは、性交渉でHPVがうつることに関係しています。

 

4. HPVワクチンって何ですか?

子宮頸がん検診の検査異常や子宮頸がんを防ぐために、主な原因といわれているHPV(ヒトパピローマウイルス)に対する免疫を高めて、感染しないようにしようという考え方が子宮頸がんワクチンです。

HPVは性行為で感染するため、初めての性交渉の前にワクチンを打っておくことがすすめられています。
ワクチンの対象接種年齢は小学6年生~高校1年生です。

この年齢の女性には、ワクチンを安く受けられるように助成があります。

市町村ごとに値段が違うため、こちらで調べてみてください。

厚生労働省 HPVワクチンの公費助成について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000fgan-att/2r9852000000fgiv.pdf

日本産科婦人科学会から子宮頸がんとワクチンについてわかりやすい説明があります
http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

<HPVワクチンの詳しい説明>HPVワクチンは積極的な接種勧奨の差し控えの状態となっていますが、予防接種を中止しているわけではありません。現在でも他のワクチン同様に、定期接種として安く受けられる補助をうけることが可能です。 現在日本では、子宮頸がんワクチンは「積極的な接種勧奨の差し控え」という扱いとなっています。日本産科婦人科学会は、HPVワクチンは子宮頸がんを予防するために重要な予防接種であり、HPVワクチン勧奨を再開することを強く求めています。

http://www.jsog.or.jp/modules/statement/index.php?content_id=5

 

◆もっと詳しく知りたい方へ

厚生労働省に子宮頸癌やHPVワクチンについてQ&Aがまとまっています
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html

 

参考文献
1.国立がん研究センター,子宮頸がん
https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/index.html
2.日本医師会ホームページ,子宮頸がんの検診
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/cervix/
3.日本産科婦人科学会,子宮頸がんについて
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=10
4. 日本婦人科腫瘍学会,子宮頸癌
https://jsgo.or.jp/public/keigan.html

 

■執筆■ 福井 陽介

大和高田市立病院 産婦人科 医員

同附属看護学校 非常勤講師

 

■イラスト■ 春柴  https://www.instagram.com/harushiba0510a/

■イラスト■   とおやま たかし  https://twitter.com/TakashiTohyama

■監修■ 柴田 綾子

淀川キリスト教病院 産婦人科医

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