風疹にかからないようにするために今できること

2018年、風疹が大流行しています。12月の時点で少なくとも2400人が風疹に感染し、2012年を超える拡大が予想されています。2013年は14,000人もの方が風疹に感染し、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されました(1)。

風疹にかからないために今、私達ができること、そして困ったときの相談窓口をご紹介します。

・熱が出て体に赤いブツブツが出てきたら風疹かもしれません。

仕事や学校は休み、病院に受診する前には必ず連絡してください。

・男性→ 抗体がついているか不明な方は風疹ワクチンを打ちましょう。

・女性→ 妊娠していない人は風疹ワクチンを打つことができます。

・妊娠中の方は風疹ワクチンは打てません。産後に打ちましょう

1. 熱が出て体に赤いブツブツがでてきたら要注意！
2. 妊婦さんに風疹が危険な理由
3. 風疹について困ったときの相談窓口

熱が出て体に赤いブツブツがでてきたら要注意！

風疹は、咳や唾にウイルスがのって感染します(飛沫感染)。風疹にかかると、2～3週間あとに熱や皮膚に赤いブツブツが出てきたり、目が充血し、耳の後ろや首のリンパ節が腫れてきます。また、関節の痛みがでることもあります(2)。風疹は、患者1人から５～７人にうつると言われています(2)。全く症状が出ずにいつの間にか感染し、気づかない内に治ってしまう方もいるので(不顕性感染)、自分が子供のときに風疹のワクチンを打っているか、母子手帳で確認しましょう。

＊風疹は、症状が3日間前後でよくなることから、一般の方には「3日はしか」とも言われます。

「3日はしか」は風疹、「はしか」は麻疹のことをさし、それぞれ似たような症状ですが別の感染症です。

妊婦さんに風疹が危険な理由

妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹に感染すると、ウイルスが胎盤を通過し、赤ちゃんに先天性風疹症候群を引き起こすことがあります。これは、生まれつき赤ちゃんの心臓、目、耳に障害をもたらす病気です(注)。

　＊先天性心疾患、難聴、白内障などが起こります

風疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は打つことができません。

では、妊婦さんができることは何でしょうか。

1.風疹の抗体があるか確認する

妊婦健診では、全ての妊婦さんの風疹抗体をチェックしています。ご自身の抗体がちゃんとついているか確認しましょう。抗体価の検査には2種類ありますが、HI法では32倍以上、EIA法では8.0 IU/mL以上あれば抗体がある証拠です(3)。風疹の抗体価が低い人は、風疹にかかりやすい状態です。

周囲から感染しないよう人混みを避け、体調の悪い人には近づかないようにしましょう。

2.家族(夫)に風疹ワクチンを打ってもらう

妊婦さん自身は風疹ワクチンを打てないので、夫や家族がワクチンを打って抗体をつけ、妊婦さんを守るようにしてください。日本では30代後半以上の男性は、風疹ワクチンを打っておらず抗体を持っていません。

30代～50代の男性は早めに風疹ワクチンを打ちましょう。風疹の抗体があるか無いか分からない場合は、風疹ワクチンを打っておくことが勧められています。以前に受けていたとしても、2回接種したことで副作用が出ることはありません。妊娠中の方は、産後なるべく早くに風疹ワクチンを打ちましょう。授乳にはもちろん影響はありません。

女性の方は、妊娠していないことを確認してワクチンをうちましょう。ワクチンのあとは2ヶ月間妊娠しないよう避妊が必要です(4)。

・風疹の抗体が低く特に注意が必要な方(1)

誕生日が下の方

・昭和37年4日2日以前生まれ (56才以上)　男女とも風疹ワクチン接種なし

・昭和37年～昭和54年4月2日 (39～56才)　男性はワクチン接種なし

・昭和54年～平成2年4月1日 (28～39才) 　男女ともにワクチン接種率低い

＊2019年4月から3年間、39才から56才の男性は無料で風疹ワクチンを受けられる予定です。

＊自治体によっては無料で抗体価検査をし、抗体価の低い方のみに風疹ワクチン接種を勧めるところもあります。

住んでいる自治体や保健所へご確認ください。

・全国の保健所

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/index.html

3.人混みを避け、こまめに手洗いをする