妊娠中はポリフェノールやカフェインに気をつけて

妊娠したとき、自分の体やお腹の赤ちゃん、家族のことを思い、毎日の食事や栄養を補うサプリメント、健康食品に関心をもつことは自然なことだと思います。
アレはダメ、コレもダメ、健康食品は何がいいの?バランスのよい食事?!?疑問は星の数ほどでてきますね。
今回は妊娠中の飲み物やサプリメントについて考えたいと思います。

・アルコールは控えよう
・カフェインの量に気をつけよう
・妊娠28週以降はポリフェノールに気をつけて
・葉酸と鉄はしっかりとろう

 

妊娠28週以降のポリフェノールに気をつけて

ノンカフェインの飲料としてルイボスティーが人気ですが、飲みすぎることでお腹の赤ちゃんの大事な血管(動脈管)が細くなったり閉じてしまう病気(動脈管早期閉鎖)か報告されています。

これはルイボスティーが悪いのではなく、その中に含まる「ポリフェノール」が影響していることが分かってきました。
動脈管は妊娠28週より前に閉じることはあまり無いので、妊娠初期~妊娠27週ではポリフェノールをとっても大きな問題にはならないと考えられています。
残念ながら、今の段階では「ポリフェノールを1日◯mgまでなら安全」という基準は報告されていません。

これを聞くと「ルイボスティーを以前に飲んでしまった」と不安になる方も多いと思います。
ポリフェノールは、食べるのを止めて2週間ほどすると動脈管の細くなった部分は治ることが報告されています。

ですので、今日から注意していただけたら大丈夫です。

ポリフェノールを多く含むものとして、プルーン、ブルーベリー、ココア、チョコレートなどがありますので、妊娠28週以降は注意してください。

授乳中のポリフェノールの副作用は報告されていません。
他にも、一部のハーブティーでは子宮が収縮しやすくなる作用が報告されており、

妊娠中は飲み過ぎに注意が必要です。

参考: 妊娠中のハーブ製品の注意について
国立健康・栄養研「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/usr/kiso/ninpu-herb/ninpu-herb-document.pdf

カフェインやアルコールはどれくらい飲んだらダメなの?

コーヒー、紅茶、エナジードリンクにはカフェインが含まれています。カフェインは少量であれば問題ありませんが、大量に飲むと赤ちゃんの成長を阻害する原因となります。国によって基準はさまざまですが、妊娠中でもカフェインを1日200mg以下(薄めのコーヒーを1~2杯程度)であれば問題ないとされています。

アルコールを妊娠中に大量に飲むと、あかちゃんの顔の変形、低身長、知能や発達の障害などが起こります(胎児性アルコール症候群)。調査では、妊娠初期に1日1.5Lのビールを飲んだ方などが報告されており「1日に大量に飲酒する」ことがリスクではないかと考えられています。

ただしアルコールに関しては「この量なら絶対安全」という基準が決まっていないのが現状です。

もちろんお菓子や料理に少量含まれるアルコールについては問題ありません。

参考:
カフェインの過剰摂取に注意しましょう 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
胎児性アルコール症候群
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-015.html

妊娠中のサプリメントの注意点

妊娠中は葉酸(ビタミンの一つ)と鉄分のサプリメントがおすすめです。

葉酸は妊娠する4週前から妊娠12週まで、サプリメントや栄養補助食品で1日0.4mg(400μg)の量をとるよう推奨されています。妊娠前から葉酸をとることで、お腹の中の赤ちゃんの神経管の奇形(無脳症、脳瘤、二分脊椎など)リスクを減らすことができます。

鉄分は赤ちゃんの成長に必要なため、食事に加えて1日30~60mgの鉄分をおぎなうことがすすめられています(WHO2012)。

注意が必要なのはビタミンAです。妊娠中にビタミンAをとりすぎると赤ちゃんの奇形リスクになるため注意してください。マルチビタミンの中には、ビタミンAが入っているものがあるため、

「妊婦さん向けのサプリ」を選んだり、「葉酸や鉄のみ」のものが安心です。

 

もっと詳しく知りたい方のための資料

・胎児動脈管早期収縮の診断と管理,黒嵜 健一, 日本小児循環器学会雑誌, 2012 年 28 巻 5 号 p. 287-289
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspccs/28/5/28_287/_article/-char/ja/
・Zielinsky P, Busato S. Prenatal effects of maternal consumption of polyphenol-rich foods in late pregnancy upon fetal ductus arteriosus. Birth Defects Res C Embryo Today. 2013;99(4):256-74.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4065350/?fbclid=IwAR3nVUV-jFEaDHlVjzP3g5isP2HXEgm-9JzUrbf6VLC3CYvadyjtLre9Asc#b148
・ポリフェノールの種類と効果と摂取量, 公益財団法人長寿科学振興財団
 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/polyphenol.html
・Daily iron and folic acid supplementation during pregnancy,WHO
 https://www.who.int/elena/titles/guidance_summaries/daily_iron_pregnancy/en/
・葉酸サプリメントの摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクを減らしましょう日本先天異常学会  http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20180412_shuuchiirai13.pdf

 

■執筆■ 福井 陽介

大和高田市立病院 産婦人科 医員

同附属看護学校 非常勤講師

■イラスト■ 春柴

■監修■ 柴田 綾子

淀川キリスト教病院 産婦人科医

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